欲望の建築とジェラシー

2018.05.15PHOTOGRAPH and WOLF

建築写真01:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / M.ZUIKO 12mm F2

人が集まる都市では、いつもどこかでビルが建設されている。常に建設中、常に新装開店、それがわが国の姿だ。建ち上がった巨大なビルや商業施設を見るたびに、よくもまぁつくったな、どうやってつくったの?と溜息が出る。もっと高く、もっと広く、と大規模な工事によってつくり出される建築物は、やはり人の欲望が色濃く反映されたものなのだろう。

建築写真00:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / M.ZUIKO 25mm F1.8

建築写真03:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

独創的な建築を見ると、あぁ、やっぱり建築はすごいなと思う。僕の仕事はグラフィックデザインで、同じデザインと名のつく職業でも建築デザインの行為とその影響力は圧倒的だ。グラフィックデザインは人の知覚の多くを担う「視覚」をコントロールする分野なので、もちろん「世界をつくっている」と言っても過言ではない。それでも建築家が考えたビルや家や店では、多くの人が歩いたり食べたり遊んだりして生活そのものを営むことを考えると、やっぱり建築というのはすごいなと思わざるを得ない。

建築写真02:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

大きい建物に限らず4人家族が暮らす小さな家をつくるにしても、建築には綿密な計画と豊富な経験が必要になるだろうと思う。完成してから数年経って壊れたらどうしよう?自分が設計した建物で1,000人くらい死んでしまったらどうしよう?そんな想像に怯えていては、建築物はきっとつくれない。ロジックだけでなく、クソ度胸みたいなものも建築家には必要なのかもしれない。

様々な場所で新しい建物が建って、その中で普通に食事をしたり買い物をする毎日。下から見上げる度に毎度のごとく思う。「よくもまぁつくったな、どうやってつくったの?」

建築写真04:OLYMPUS PEN-F

OLYMPUS PEN-F / VoigtLander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

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