変わらないフォーマット

2019.04.24PHOTOGRAPH and WOLF

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC 01

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

元号が平成から令和に変わったって、何かが劇的に変わるわけじゃない。いい加減、すべての書類は西暦表記でいいんじゃないの?と思ってる人の割合は90%以上ではないだろうか。その一方で僅か数年経っただけで、状況がまるごと変わってしまうものもある。スマホが普及前、はじめて行く場所にどうやってたどり着くことができたのか、地下鉄の乗り換えや最短時間をどうやって調べたのか、いまとなっては曖昧な記憶しか残っていない。手描きの地図、時刻表、電話帳、そういったアナログアイテムは不要になってしまった。20年ほど前、書類を会社間でやり取りするのに、バイク便や自転車便をバカスカ使っていたが、大量のデータを数分でやり取りできるWEBサーバーがそれにとって変わった。変わったものはテクノロジー関連だけじゃない。いまや離婚も珍しいものではなく、恋愛できない男、結婚できない女、同性愛、退社するときに音信不通になる社員、そういったものは普通になりつつある。

写真を取り巻く環境もかなり変わった。デジタル化とアプリケーションの進化で、経験が必要なスキルはテクノロジーが短縮した。それによって経験の浅いカメラマンが最新のカメラとパソコンですぐに働けるようになり、逆に熟年の技術者が働く機会を奪われた。ビジネスでない写真も昔は記録的要素が強かったが、今はどちらかというと誇張や表現を求める人が多い。プリントやアルバムがなくなり、写真の行き先のほとんどはスマホの小さな画面になった。暗い場所が撮れるようになったり、ドローンで空撮ができるようになったり、できなかったことがテクノロジーでできるようになる世の中だ。しかし、何年経っても大して変わらないものもある。例えば、写真に写すという仕組みは、相変わらず絞りとシャッタースピードで露出を決めるし、長時間露光するときには三脚を使うし、ストロボを使ったライティング技術も基本的にあまり変わってないだろう。カメラを持って構えて撮る、みたいな基本動作も変わらない。道具のカメラ自体はテクノロジーで大きく変わったけど、撮る方の基本的な技術は大きく変わっていない気がする。F値とかシャッタースピード、ISOといった名称も今後100年くらいは変わらない気がする。

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC 07

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC 02

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC 03

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

SONY α7R2 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 E-mount 01

SONY α7R2 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 E-mount

SONY α7R2 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 E-mount 02

SONY α7R2 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 E-mount

世の中変わったとか、変わらないとか、そういう話は非常にジジ臭い。先日、お世話になっている税理士と話をしていて、今年59歳になる税理士も、今年45歳になる僕も、人生の半分以上は平成時代を生きているという話題になった。ジジイ風を撒き散らして「我々昭和の人間は…」なんて言ったって、実は平成の人間なのだ。ちょっとだけ歳くってくると、時代と共に変わったものばかり目についてしまうが、大して変わっていないものの方が多いんじゃないか。朝起きて何か食って仕事してクソして寝る、といった生活はそんなに変わらない。イヤラシイ気持ちで子供をつくって死にたくないと思いながら死んでいく人間らしいスタイルも、あまり変わっていない。他人に何かしてやって感謝されると嬉しいという原則的な欲求も時代を越えてあり続けている。デジタルカメラで写真を撮って「う〜ん、いいねぇ」なんていう自己満足も、その昔、土の壁に棒で絵を描いて「う〜ん、いいねぇ」とご満悦していたことと、根本的には変わらない気がする。

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC 04

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC 05

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

LEICA M Typ240 / Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC

LEICA M Typ240 / MINOLTA M-Rokkor 28mm F2.8

LEICA M Typ240 / MINOLTA M-Rokkor 28mm F2.8 写真作例

LEICA M Typ240 / MINOLTA M-Rokkor 28mm F2.8

週末に家族や恋人とやってきて、それぞれにゆったりと過ごしている公園を眺めるのが好きだ。ボールを投げあっている親子、犬を散歩させる老人、ひとりで読書する女性。太陽の光に満ち、肌触りのいい風が頬を撫でる。行ったことはないが、天国というものがあればこういう空間であってほしい。週末を何もない公園で過ごすなんて、刺激を求める人には退屈で耐えられないだろう。それでも、ファミリー層を中心に多くの人が公園を訪れているのを見ると、公園を楽しむ行為は今後もあり続けるような気がする。

LEICA M Typ240 / MINOLTA M-Rokkor 28mm F2.8

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