小さな巨人 X100F

2019.11.15PHOTOGRAPH and WOLF

FUJIFILM X100F

服でも何でも、あまりたくさんの種類を持っていたくない。なぜなら選択肢が増えるからだ。進学や将来をはじめとして選択肢が多いことが素晴らしいという風潮があるが、果たして本当にそうだろうか?選択肢が多いと必要以上に悩むことになるし、逆にどうやったら選択肢を少なくできるかを日々考えている。日本国民は全員ユニクロで服を買いましょうね!という法律ができても僕は困らない。いつも同じ服、同じ靴、同じ時計、本当はそういう風に生きていたいが、状況がなかなか許してくれないのが世の中というものである。やれやれ。

FUJIFILM X100F

週末に妻と出かける時、撮っても撮らなくてカメラを持ち歩く。先日α7SにNokton Classic 35mmを付けて街ブラしていたら、階段でカメラを落としレンズをダメにしてしまった。Nokton Classicは現行のレンズなのでいつでも買い直せるが、これがオールドレンズならそうもいかない。気に入ったレンズは可能な限り長い間使っていたいので、大切に扱わなければ…。ライカMでもα7Sでもストラップを使ってカメラをぶら下げていると、隣を歩いている妻の手がよくぶつかる。レンズも心配だがレンズにぶつかって妻の高い腕時計が壊れたら、それはそれで面倒だ。どんなにコンパクトなレンズでもカメラから出っ張ることになるので、いっそのことレンズ交換しないコンパクトなカメラをバッグに入れて持ち歩くか…、という経緯でFUJIFILM X100Fを使うことにした。aps-cセンサーのこのカメラはコンデジの中では大きい方だが、ライカMを見事にオマージュした凹凸の少ないデザインで、フルサイズ換算35mmのレンズも薄く、バッグに入れても、ストラップを使ってぶら下げても、とてもスマートだ。色はプラスチック感の少ないブラックを選び、輸入ものの角型フードをつけるとなかなか愛らしい佇まいになった。

FUJIFILM X100F

FUJIFILM X100F

FUJIFILM X100F

FUJIFILM X100F

FUJIFILM X100F

FUJIFILM X100F

FUJIFILM X100F

ソフトフォーカスになる開放値と評判のいいフィルムシミュレーションは使わない。光学ファインダーも使いにくいので使わない。他のカメラと同様、rawで撮って自分の好きなように現像してしまうので、富士フイルムの色がどうのとか、肌色がキレイだとか、そういうのはあまり関係ない。富士フイルムさん、ごめんなさい。絞り、シャッタースピード、露出補正、ISOをダイヤルで操作できるのはとても使いやすい。他のコンデジのように、電源入れる度にレンズが伸びないのがいい。ライカを真似たんだからデザインも悪くない。犬の散歩で持ち歩く時はストラップを使ってぶら下げ、片手で撮る。アクセサリーのグリップは邪魔なのでつけない。ファインダーはお世辞にも最高とは言い難いが、フルサイズのカメラよりも被写界深度が深いので充分だ。レンズが交換できないので、センサーダストを気にせず遠慮なく絞って撮れる。シャッター音は驚くほど小さく、何より撮っていて気持ちがいい。過度な期待をするカメラではないけれど、その気になれば抜群に雰囲気のある写真が撮れる優秀なカメラだと思う。初心者の方に薦めるカメラはいつもオリンパスだったが、これからはX100Fを薦めようと思った。

FUJIFILM X100F

FUJIFILM X100F

色々撮ってみて、妻と犬たち、つまり僕の家族と過ごす時には、このカメラでよさそうだ。本当は何もかもオールドレンズで撮りたい気持ちはある。X100Fは以前友人が欲しいと言っていて、そんなカメラいるのか?使わないカメラが1台増えるだけじゃないの?無駄遣いなんじゃないの?バカなんじゃないの?と言い放ったこともあった。しかしまぁ、自分で使ってみると決して悪くない。小さなカメラなのに、なかなかのポテンシャル。X100Fは侮れないカメラだ。

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