季節を愛でる暮らし

2018.11.30PHOTOGRAPH and WOLF

季節の写真1:Voigtlander NOKTON Classic 40mm F1.4

α7R2 / Voigtlander NOKTON Classic 40mm F1.4

仕事と酒と時々オンナ。それがすべての20代の頃は、まったりと季節を感じることなどなかった。結婚して30代になり環境と心境の変化はあっても、仕事を中心とした日々は変わらず、暑いとか寒いとか気温でしか季節の変化を感じることはなかった。40代が近くなり、屋内ばかりの生活では何だか物凄く損をしているように思えて、山を登ったりやカヤックに乗ったりして積極的に外へ出かけるようにした。その頃、アルコールをほとんど受け付けなくなるという体の変化もあって、玄米を食べたり早朝にウォーキングをしたりと、どうした?あの頃のお前はどこへ消えた?現象から、どんどんと心も体も穏やかになり現在40代を生きている。

季節の写真2:MINOLTA M-Rokkor 28mm F2.8

SONY α7R2 / MINOLTA M-Rokkor 28mm F2.8

スタジオや屋内ではなく外へ写真を撮りに出かけると、意識せずとも季節の移り変わりを肌で感じることになる。心地よく降り注ぐ太陽の光と木々を揺らす風。山の静寂と、海のざわめき。公園で戯れる子どもたちの笑い声。ビルの狭間では感じることのない穏やかな時間に身を任せ、被写体を探して歩く。iPodに入れたお気に入りの音楽を聴きながら、ファインダーを覗いてピントを合わせる。実に個人的で、実に愛おしい時間だ。

季節の写真2:Voigtlander NOKTON Classic 40mm F1.4

α7R2 / Voigtlander NOKTON Classic 40mm F1.4

最近、紅葉の時期が短くなった気がしている。落葉樹は気温の低下と太陽の光によって黄色や赤に染まっていくという。秋に日照時間が短く、葉が充分な太陽光を浴びることができないと、紅葉せずに終わってしまうのだろうか。温暖化もあって、日本ではどうも季節の調子がおかしい。夏らしい夏、秋らしい秋というものが崩壊した場合、日本から紅葉がなくなってしまう年も来るのだろうか。

どんなに金を出しても、時間を取り戻すことはできない。世の中で最も限りあるものは「時間」で、それはもう、金よりも仕事よりも愛よりも家族よりも、僕らは時間を大切にするべきなのだろう。撮った写真を見ると、季節の匂いやその時の感情を蘇らせてくれる。

季節の写真3:MINOLTA M-Rokkor 28mm F2.8

SONY α7R2 / MINOLTA M-Rokkor 28mm F2.8

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